こんにちは。和歌山市ふじと台にある、かわさきデンタルクリニック院長の川崎です。
この「ドクターズコラム」では、さまざまな切り口からインプラント治療について解説しています。
部位ごとのインプラント治療のご相談をいただいていますので、今回は「奥歯のインプラント治療」についてお話したいと思います。
前歯のインプラント治療に関するコラムも書いていますので、そちらもご参考にしてみてください。
奥歯の役割について
まず奥歯の役割ですが、大きく3つあります。
- 食べものを噛み砕いたり、すり潰して消化の促進
- 噛み合わせを安定させる
- 運動や強い力を発揮する時に歯をくいしばる
奥歯の役割から分かる通り、奥歯で物を噛む時はかなりの力がかかります。
奥歯を失ってしまった時に迷う治療法
何かしらの理由により奥歯を失ってしまうと、重要な役割を果たすことが難しくなってしまいます。
失った奥歯の治療は主に入れ歯、ブリッジ、インプラントから選択することになりますが耐久性や治療の難易度などを考えると、どの治療が適切か迷いますよね。
奥歯は虫歯や歯周病になりやすく治療法によってはデメリットも起こりえる
奥歯は、左右の第一大臼歯から第三大臼歯(親知らず)までを指します。
位置的にも磨き残しなくしっかり清掃することが難しいため、虫歯や歯周病などにより失いやすい歯です。
先に書いた通り、物を噛む時などに大きな力がかかり、せっかく治療したのに食事が楽しめないなど生活に支障が出てしまう場合も治療法によっては起こり得ます。
そうならないためにも、痛みや食事時の不自由などご自身が悩まされることがない適切な治療を受けたいですよね。
奥歯の機能
奥歯は外から見えることが少ないため、前歯と比べ軽視されることも多いのですが、食事の際は食べ物を噛み砕き、すり潰して消化しやすくしているほか、発音にも大きく関わっています。
また、噛み合わせの要となって顔立ちや骨格の形成にも影響しており、重い物を持つ時や運動時には奥歯に力をかけて食いしばることで、効率よく筋力を使う事ができます。
奥歯は、私たちの見た目や健康、運動に大きく関わる、重要な存在なのです。
したがって、こうした機能を維持できる方法を選ぶことが、奥歯の治療のカギになります。
入れ歯やブリッジよりもインプラント治療をお勧めできる理由
インプラントは入れ歯やブリッジと異なり手術を伴う治療法で、医療保険の適用がないため治療費も比較的高額になります。
しかし、人の骨とよく似た構造のチタンを使用し、骨と結合させて使用するインプラントは、噛む力に対する耐久力も高く、食事や会話も天然歯と同じように楽しむことができます。
これは入れ歯やブリッジにはない大きなメリットです。
「しっかり噛み締める」機能が求められる奥歯だからこそ、治療法は慎重に検討していただきたいと考えています。
入れ歯やブリッジよりもインプラント治療をお勧めできる理由をより具体的に説明したいと思います。
奥歯のブリッジ治療について
ブリッジの場合、失った歯の両隣の歯を削ってかぶせるため、せっかく健康な状態にある歯に大きな負担をかけてしまいます。
また、一番奥の歯にはブリッジを選択することができません。
中には歯を失ったまま放置にしておく方もいますが、他の歯の負担や噛み合わせなど様々な弊害がおこります。
奥歯の入れ歯治療について
入れ歯の場合、部分入れ歯は金具を両隣の歯にかけて使用するため、やはりそれらの歯に負担がかかってしまいます。
インプラント治療は周りの歯を傷つけることなく、インプラント体と骨の結合により歯槽骨が痩せることを防ぐこともできます。
入れ歯の場合、硬い物が噛みにくく、食事の時には入れ歯本体や総入れ歯を埋め込んだプラスチック製の床が歯茎に当たって痛むこともあります。
普段でも使用時の違和感があるほか、朝晩のつけ外しと清掃が負担になったりして、せっかく作っても使わなくなるケースが少なくないようです。
奥歯のインプラント治療について
インプラントは先述の通り骨と結合させて使うもののため、食事の際も普段の暮らしの中でも違和感が少なく、天然歯と同じ感覚で使うことができます。
インプラント治療を検討する際、治療費がネックになる方もいらっしゃることと思います。
歯科医院ごとに差異はありますが、費用の目安はインプラント1本あたり約35~50万円程度です。
当院ではインプラント治療の総額が1本49.5万円(税込)となっています。
力のかかる奥歯の場合は特に高い耐久性が求められることから、質が良く壊れにくいインプラント体を採用していることや治療技術の高い歯科医院を選択することが重要となります。
治療技術の高い歯科医院を選択することが重要であるとお話はしましたが、一般的に奥歯の治療の難易度は、歯茎や歯槽骨の薄い前歯よりと比べると高くありません。
奥歯のインプラント治療が向いていないケース
一方でインプラント治療が向かないケースもあります。
例えば上の奥歯は、その上部に上顎洞と呼ばれる空洞があって歯との間の骨が薄く、インプラント体の埋入が難しいことがあります。
この場合は骨を増やす施術(骨造成。サイナスリフト)を行ってインプラント治療ができるか検討します。
また、重度の歯周病の方や糖尿病、骨粗しょう症などの持病をお持ちの方、ヘビースモーカーの方、歯科医との意思疎通が困難な方もインプラント治療が難しい場合があります。
持病の治療や生活習慣の見直し、治療期間と内容の検討などにより対応が可能となることもあるため、歯科医院とご相談ください。
インプラント治療は信頼できる歯医者へ
インプラント治療について豊富な知識を持ち、そのアップデートを怠らず、ちょっとした不安や疑問も気軽に聞ける、そんな「信頼できる歯科医院」を見つけ、安心して治療を受けていただければと思います。
当院のインプラント治療の特徴と留意点もご参照下さい
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すべての歯の中で、比較的、失われやすい奥歯。
その1本がなくなった時にどんな治療を選択するかで、10年後、20年後の生活が大きく変わる可能性があります。
顎の骨の量や厚みが少ない場合はインプラント治療が適さないとされていますが、当院では骨造成を行っておりますので、他院で断られた方もお気軽にお問い合わせください。
歯は抜けたままにしておく歯槽骨が痩せて歯並びが変わることもあり、入れ歯やブリッジも含め治療が難しくなるケースもあります。
こうした方もぜひ一度、ご相談をいただければと思います。
歯がある状態から治療計画を立てれば、適切な内容でスムーズに治療を進めることができます。
まだ奥歯はあるものの状態が悪く抜歯を勧められている方も、抜歯前にご相談下さい。
外からは見えないため普段あまり意識されることがないかもしれませんが、私たちの見た目や健康に大きく関わっている奥歯。
当院は適切な治療をご提供し、奥歯の噛み締める機能を維持することで、受診者の方の健やかで快適な毎日をサポートいたします。
医療法人かわさきデンタルクリニック 理事長・院長 川崎 豪彦